モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
これでやっと謝ってから
断りを入れて猫探しができる。
そう思って近づいた部屋は、
しかしとても猫探しの許可を
もらいに入っていけるような
空気ではなかった。
「もう少し…もう少し、
待ってください。」
「…。」
懇願しているのは先程まで
沙羅と話をしていた地主だ。
ドアの隙間からそっと
のぞき見ると、地主の
向かいには、黒い服を
着た赤毛の男が冷淡な
顔で地主を睨んでいる。
「きっと、貴方の望み通り
あの娘をお連れ致します。
ですから…。」
恐怖に歪んだ笑顔で必死に
取り繕うとする地主に
赤毛の男が冷やかに言い放つ。
「契約違反は認めない。
お前が持ちかけた契約だ。
責任は必ずとらせる。」
「ええ、ええ。
もちろんです、旦那様。
あの娘が嫁ぎましたら
すぐさま死んだことにして、
旦那様にお渡しいたしますので…。」
「…まさか、おしくなった
わけじゃないだろうな。」
男の一言に、地主は突然声を荒げた。
断りを入れて猫探しができる。
そう思って近づいた部屋は、
しかしとても猫探しの許可を
もらいに入っていけるような
空気ではなかった。
「もう少し…もう少し、
待ってください。」
「…。」
懇願しているのは先程まで
沙羅と話をしていた地主だ。
ドアの隙間からそっと
のぞき見ると、地主の
向かいには、黒い服を
着た赤毛の男が冷淡な
顔で地主を睨んでいる。
「きっと、貴方の望み通り
あの娘をお連れ致します。
ですから…。」
恐怖に歪んだ笑顔で必死に
取り繕うとする地主に
赤毛の男が冷やかに言い放つ。
「契約違反は認めない。
お前が持ちかけた契約だ。
責任は必ずとらせる。」
「ええ、ええ。
もちろんです、旦那様。
あの娘が嫁ぎましたら
すぐさま死んだことにして、
旦那様にお渡しいたしますので…。」
「…まさか、おしくなった
わけじゃないだろうな。」
男の一言に、地主は突然声を荒げた。