モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「何か飲みますか?」
「なんでもいい。」

凍夜の答えを見越していたノークスは、
自分の従僕の一人を呼ぶと、
用意していたお茶を持ってくるように指示する。

幼女の姿をした従僕は、服の裾をつまみ丁寧に
お辞儀をして部屋を出て行った。

こういう光景を見ると、吸血鬼の血から
生み出される従僕は、主人である吸血鬼の性格が
よくでるなとつくづく思う。

凍夜本人は絶対に認めないが、凍夜の従僕は
凍夜と同じでこういう細かい配慮の必要な
作業にはむかない。

その点ノークスの従僕は世話好きな彼本来の
性格が色濃く反映しているためか、
屋敷の管理や主人の世話など、
様々な雑用を細かくこなしている。
< 23 / 726 >

この作品をシェア

pagetop