モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
大人の女性としての礼儀を
身につけはじめた年齢なの
だから、大人の男の人を
寝室に留まらせるのは
好ましいことではない。

意図はどうあれ、
はしたないことを
言ってしまった半人前の
子供に、紳士である朔夜は
あきれたに違いない。

「僕はかまいませんよ。
ただし、今のうちに
きちんと認識して
おいてください。」

朔夜のいつもと変わらない
優しい声に、沙羅は
おそるおそる顔をあげた。

「なにを?」

そう尋ねると、朔夜は
少し悪戯っぽい笑みを返す。
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