モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「どうやって、たべさせたのです?」
「キミが必ず食べさせろといったから
そうしてあげたのに、なんで
そんなことまで教えなきゃいけないの。」

…口移しで食べさせた、などと知れたら、
からかわれるのは目に見えている。

「参考までに聞いておきたかっただけです。
正直、期待はしてませんでしたから。
ですが、そうですか。食事をしたのなら問題ない。
…あとは?」
「なにが。」
「他には何もないんですか?
彼女の言動とか、貧血以外に気になるところとか。」
「…。おもしろいね。あの人。」
「は?」

凍夜のつぶやきに、ノークスはさっきより
驚いた顔をする。

「…僕たちの正体と、血を飲めば喰血鬼になることと、
性行為で死ぬことは伝えたよ。
それから、僕たちがお互いの部屋に入らないことも。
あとは勝手にすればいい。」

話はこれで終い、とばかりにお茶を飲み干すと、
凍夜は席を立つ。

ノークスが、まだ何か聞きたそうにしていたが、
気付かないふりをして、応接室をあとにした。
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