モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
決して、凍夜を嫌だと
思ったわけではない。


むしろ…。


そこまで思いいたって、
姫乃は完全にゆだって
しまった。

このままでは、
のぼせてしまう。

そう思って湯からあがる。

間違っても、隣の部屋に
凍夜がいるこの状況で、
のぼせて倒れるなどと
いう失態を演じる
わけにはいかない。


…恥ずかしくて
死んでしまう。


髪をまとめて、
簡単に水気を切り、
バスタオルで身体の
水気も拭き取る。

そして、衣服を身に
つけようとして、
姫乃の手が止まった。
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