モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
すでに表に出始めている
自身の独占欲に、凍夜は
ため息をついた。

女に贈り物をする、
自分。

今までに、なかった
わけではない。

過去二人だけ気に入った
女がいて、凍夜は
それぞれに贈り物を
したことはある。

ただし、それは、
相手が望んだ場合だけ。

相手が望んだものだけ、
与えた。

それは、気に入った
犬猫がねだるから、
おやつをあげるような
軽い感覚でしかなかった。

少なくとも、こんな、
自分の独占欲を満たす
ための贈り物ではない。
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