モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~

秘メゴト―姫乃

落下の衝撃で乱れた呼吸を、
今度は凍夜に乱される。

まるで入浴前の続きのように、
唇を奪われ、いいだけ
ついばまれてから、
あっというまに口腔に
侵入された。

先ほどと違うのは、姫乃の
肌を守っているのはたった
一枚のバスタオルだけだと
いうこと。

それを意識するだけで、
姫乃は自分が酷く無防備な
気がして、思うように
身動きがとれない。

どちらにしろ、
ロッキング・チェアに
座らされた姫乃の腕は
凍夜の腕で縫いつける
ようにチェアに拘束されて
いるから、姫乃はされるが
ままの状態だ。


口の中を凍夜に
貪られるたびに、
姫乃の身体の内側は
しびれを増し、恐怖も
比例するように増していく。
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