モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「…嫌じゃ、ない。」

その一言で、凍夜は
また、姫乃と唇を重ねる。

唇が、ゆっくり首筋を
たどり、肩を撫でて
片方の胸のふくらみと
その先を弄ぶ。

バスタオルはいつの間にか
床に落ちて、姫乃の肌は
余すところなく凍夜の
視線に晒された。

先ほどの一言で、姫乃の
拘束を解いた凍夜の
手のひらが、もう片方の
ふくらみも優しく包みこむ。

いつもの、血を採取される
食事の時のような愛撫に
とろけそうな思考のまま、
姫乃が問いかけた。

「食事を、するの…?」

「しないよ。」

凍夜の動きに翻弄され
続けながらも、どうにか
意識を保とうと質問を
考える。
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