モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「ノークス、は…。」

そろそろ、食事の
時間になる。

彼が帰ってきたら、
これはおしまいなの
だろうか。

姫乃の声に、凍夜は
少しの間顔をあげて、
姫乃を見つめた。

どこか機嫌の悪そうな
表情に、姫乃は少し
困惑する。

「明日の昼まで
戻らない。」

そう、知らせがあったと
凍夜が告げた。

「…どこかの子供の
世話に忙しいらしいね。」

「…子供好き…には、
見えない、けど…。」

でも、あれでけっこう
世話焼きだし、と
思い返せば、意外と
そういう面も
あるのかしらと、
妙に納得する。
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