モントリヒト城の吸血鬼①～ヴァンパイアの花嫁～

「僕以外のことを
考えてられるなんて、
ずいぶん余裕だね。」

凍夜が微かに苛立った
声でそう言ったかと思うと、
内股を這っていた指が
その先の敏感な
部分に、触れた。

ぴくりと、姫乃の
身体がこわばる。

指先で執拗にその部分を
弄ばれ、姫乃の口から
意図せず甘えるような
音が漏れた。

自分が出した声に対する
驚きと羞恥で、姫乃は
一層落ち着きを失う。

姫乃自身も触れたことの
ない場所に凍夜が
触れていると思うと、
その羞恥は姫乃を
異常に興奮させた。

食事の時の愛撫とは、
似ているようで違う。