モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
肌を撫でられ、
舐められることも
あったが、凍夜も
ノークスも、
一度だってキスを
したり姫乃の奥に
触れることはなかった。

抗いがたく甘美な、
あの感覚を、たっぷりと
詰め込んだような、
こんな、自分の身体が
自分のものかわからなく
なるような高揚感は
感じたことがない。

頭の奥がじんじんと
しびれ、下腹部が酷く
疼いた。

止めようとしているのに、
甘えの入った声が
どうしても止まらない。

そうして、わけが
わからないまま
喘がされ、甘く淫らな
感覚に捕らわれた
姫乃を見て、
凍夜はその耳元に
言葉をこぼした。
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