モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
姫乃の母の故郷、
チェーニは古くから
吸血鬼が共存する
国だという。
そんな国から嫁いだ
母が毎晩聞かせてくれた
童話のひとつ。
姫乃は、結末が悲しくて、
あんまり好きには
なれなかったお話。
そのお話に出てくる
薔薇の娘も、こんな
深紅のドレスが
似合う女だったの
だろうか。
よく見ると、目の前の
女を抱いて穏やかな
顔で眠る男がいる。
その顔にとても見覚えが
あるのだけれど、
寝ぼけているらしい
頭に名前がでてこない。
薔薇の妖精の薔薇と
吸血鬼も、こんな
安らかな面持ちで
死んでいったのだろうか。
もし、そうなら姫乃は
あの悲しいお話が、
少しだけ好きに
なれそうな気がする。
チェーニは古くから
吸血鬼が共存する
国だという。
そんな国から嫁いだ
母が毎晩聞かせてくれた
童話のひとつ。
姫乃は、結末が悲しくて、
あんまり好きには
なれなかったお話。
そのお話に出てくる
薔薇の娘も、こんな
深紅のドレスが
似合う女だったの
だろうか。
よく見ると、目の前の
女を抱いて穏やかな
顔で眠る男がいる。
その顔にとても見覚えが
あるのだけれど、
寝ぼけているらしい
頭に名前がでてこない。
薔薇の妖精の薔薇と
吸血鬼も、こんな
安らかな面持ちで
死んでいったのだろうか。
もし、そうなら姫乃は
あの悲しいお話が、
少しだけ好きに
なれそうな気がする。