モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「凍夜みたいな人を
もの好きって言うのよ。」

機嫌を損ねない程度に
皮肉をいうと、凍夜は
姫乃を抱きしめる腕に
力を込めた。

「…知ってる?男は
下心がある女に服を
贈るんだよ。」

「…?」

「やっぱりキミは
赤が似合う。…もう
一度乱したくなるな。」

「は?」

「…押し倒したくなる
くらいに僕は気にいった。」

そういって、姫乃の香を
楽しむように頭に鼻を
押し付けてくる。

「押し…何言いだすの!?」

また、さっきのような
恥ずかしいことを
するのかと慌てて
身をよじる。
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