モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
初恋―ノークス
―時は数日前に遡る。
ノークスがその白い
太ももに指を這わせると、
姫乃の口から小さな
吐息がこぼれた。
毎晩の、いつもと
変わらぬ食事。
食事の為に愛撫を
受ける彼女は、この頃
ずいぶんと素直に快楽を
受け入れるようになった。
ノークスが一晩沙羅の
そばについて城に
戻らなかった日の翌日から、
姫乃は少し様子が変わった。
きっと、凍夜と何か
あったのだろう。
あえて詮索はしていないが、
それは間違いない。