モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「…他には?」

「え。」

「まだ、いる。」

「な、なにが!?」

「何か思い当たって、
隠したことがあるでしょう。
さっさと白状してしまった
方が身のためですよ?」

凍夜の機嫌を損ねるのを
面倒に思い、なにより
ノークス自身が姫乃の
からかいがいのありそうな
話を聞きたくて、
彼の援護をする。

凍夜の機嫌を損ねたく
ないのは姫乃も同じ
なのだろう。

そうなるともはや
逃げ道がないと悟った
彼女は散々葛藤したあげく、
しどろもどろになりながらも
小さな声でぼそぼそと答えた。

< 313 / 726 >

この作品をシェア

pagetop