モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「おっと、こんな時間に
騒げば、キミのかわいい
姫乃が起きてしまいますよ?
貧血をおこしている
ようですから、ちゃんと
休ませてやらなくては。
興奮して、食事の加減が
できなかったのでしょう?」

「…。」

ノークスにバレていないとは
思っていなかったが、
改めて指摘されると
やはり苛立ちを覚える。

最悪の機嫌だったが、
それでも姫乃のことを思い、
仕方なく漆黒の剣を収めた。

「それで、どんな気分です?」

しつこく、ノークスが
問いかける。

「わざわざ彼女にドレスまで
プレゼントして、相当
入れ込んでいる。
彼女もまんざらでは
ないようだ。
キミにしてみれば、
姫乃こそ初恋といった
ところですか。
うまくいきそうで
実におもしろい展開です。」
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