モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「…。…僕の、所為なの。」

何を言おうと考えるより
先に、その言葉が
衝いて出た。

「キミが、昨日
泣いていたのは、
僕の所為なの。」

凍夜の問いに、
姫乃は視線は
合わせないままで、
少し困ったように
笑って見せた。

「違うわ。…ノークスに
聞いてるでしょう?
ちょっと、怖い夢を
見てしまって…。」

「なら、どうして僕の
視線を避けてる…!」

思わず荒げた声に、
姫乃はびくりと身を
震わせた。

それでも、視線を
合わせない姫乃の腕をひき、
無理やり立たせて抱きしめる。
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