モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
テーブルを使い物に
ならなくしても、
治まらない憤りが
凍夜の中で渦をまいた。


…凍夜は、何もしていない。

悪いはずが、ない。


なのに、なぜ。



あんな、責めるような目で。

傷ついたような、目で。


彼女は凍夜を拒絶したのか。



ひとつひとつ知っていった
彼女の、いまやすべてが
わからない。

酷い混乱と苛立ちで凍夜は
息がとまりそうだった。

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