モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
誤解―姫乃
―あの日の夜。
自分の部屋で目が
覚めた姫乃は、
ぼんやりした頭で
首をかしげた。
…どうやって、部屋に
戻ったのかしら。
晩餐の途中から、
記憶がない。
ふと、自分の身体を
見ると、荒っぽく
結ばれた夜着の
リボンが目に入った。
姫乃を脱がせたのは
凍夜かもしれないと
思いつき、気恥しくなる。
それにしても、
どうしてこんなに
ふらふらするのだろう。
何とか思い出そうと
じっと考え込んでいたら、
少しずつ、晩餐の様子が
思い出された。