モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
凍夜に話しかけようと
部屋を出てきたのに、
話しかける気はすっかり
失せていて、姫乃は
追いかけることが
できなかった。
冷たく、嫌なモノが
姫乃の心臓を撫でる。
…勘違いを、していた。
声を聞けば、
その姿を探してしまうし、
目が合えば思わず
微笑んでしまうひと。
触れられるのはうれしいし、
話をすれば楽しくて
たまらない、そんなひと。
好きだと、思ったひと。
漆黒の覇王の話をしながら、
姫乃は凍夜を想っていた。
漆黒の覇王への憧れを
口にしながら、憧れとは
違う想いを凍夜に
抱いていることに、気付いた。
…自分は、彼にとってただの
餌にすぎないのに。
部屋を出てきたのに、
話しかける気はすっかり
失せていて、姫乃は
追いかけることが
できなかった。
冷たく、嫌なモノが
姫乃の心臓を撫でる。
…勘違いを、していた。
声を聞けば、
その姿を探してしまうし、
目が合えば思わず
微笑んでしまうひと。
触れられるのはうれしいし、
話をすれば楽しくて
たまらない、そんなひと。
好きだと、思ったひと。
漆黒の覇王の話をしながら、
姫乃は凍夜を想っていた。
漆黒の覇王への憧れを
口にしながら、憧れとは
違う想いを凍夜に
抱いていることに、気付いた。
…自分は、彼にとってただの
餌にすぎないのに。