モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「ねぇ、凍夜。もしかしてソラマメ、キラ…」

「僕に嫌いなものなんてないよ。」

「でも残し…」

「今日のは美味しくないだけだよ。」

姫乃が何か言い終わる前に凍夜が説明してやると、
ノークスが横からちゃちゃを入れた。

「この間は色が変だから食べないと言って、
その前はもそもそしているのが気にくわないと
言ってましたね。
見ただけで、一度も口に入れなかったくせに。」

「キミは黙ってなよ。」

「さらにその前は、形がよくないからいらない、
とも言ってましたっけ。
ずいぶんな回数の食事をご一緒してますが、
僕は一体いつになったら、貴方の腹に
ソラマメが入るのを見られるのやら。」

「黙れ。」

くだらない内容で真剣にケンカを始めそうな
二人を見ていた姫乃が、小さく笑った。
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