モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「ソレのお守なんて
する気はないよ。
姫乃は僕のものだし、
シャディンは僕が狩る。
ソレはいらない。
邪魔しに来たら
承知しないよ。」

「なっ…だからと言って、
なぜ投げる必要が…
待ちなさい、凍夜!!」

朔夜と凍夜の会話から、
沙羅は自分がどんな
目にあわされたのか悟った。

もう少しで怪我を
するところを朔夜が
受け止めてくれた
こともわかった。


そして、そうさせることで、
朔夜をこの場に
留まらせた
凍夜の意図も、理解した。


男の話に目に見えて
動揺していた朔夜を
少しでも落ち着かせ、
後を追わないよう
この場にとどめるのが、
沙羅が唯一求められた
ことで、沙羅に唯一
できることだ。
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