モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
シャディンとその弟は、
そこそこ仲がよかったように
記憶しているが。
突っ込んで聞く気もないので、
その話題に触れずに答える。
「僕たちも、別に
仲よくはないけどね。」
「…顔色が悪いな。
相変わらずの偏食か?
大事な兄が気まぐれで
命を擦り減らすような
真似をすれば、ノークスも
気が気ではないだろうに。」
「うるさいよ。
僕がどうしようと、
僕の勝手だ。」
「あまり、アレを
心配させるな。…気の毒だ。」
「そう思うなら、姫乃を
返してくれる。
僕はもう、彼女の血以外は
飲まないと決めているからね。」
「…ノークスにも言ったが、
できない相談だな。」
「へぇ。…キミが、
僕に、逆らうの。」
膨れ上がる殺気を
隠そうともせず、
凍夜は薄く笑って
目の前の獲物を
ねめつけた。
殺気立つ凍夜が、
一歩進めば、シャディンは
怯んで一歩退く。
そこそこ仲がよかったように
記憶しているが。
突っ込んで聞く気もないので、
その話題に触れずに答える。
「僕たちも、別に
仲よくはないけどね。」
「…顔色が悪いな。
相変わらずの偏食か?
大事な兄が気まぐれで
命を擦り減らすような
真似をすれば、ノークスも
気が気ではないだろうに。」
「うるさいよ。
僕がどうしようと、
僕の勝手だ。」
「あまり、アレを
心配させるな。…気の毒だ。」
「そう思うなら、姫乃を
返してくれる。
僕はもう、彼女の血以外は
飲まないと決めているからね。」
「…ノークスにも言ったが、
できない相談だな。」
「へぇ。…キミが、
僕に、逆らうの。」
膨れ上がる殺気を
隠そうともせず、
凍夜は薄く笑って
目の前の獲物を
ねめつけた。
殺気立つ凍夜が、
一歩進めば、シャディンは
怯んで一歩退く。