モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「この娘は、俺の獲物だ。」

「そんなの関係ないね。
今は僕のものだよ。」

「いいや、俺のものだ!」

姫乃の所有を主張する
凍夜に、シャディンは
激昂して声を荒げた。

「本来ならば、十年も
前にこの手に収める
はずだった!
その為に、俺は
この娘の父親を
手にかけた…。」

「!」

「だが、邪魔が入った。
この娘の母親が、
そして俺の弟が、
ことごとく邪魔をした!」

先ほどから、妙に兄弟仲に
こだわるのは、自身が
弟と決裂したためか。

姫乃と、シャディンの弟が
どういう関わりなのかは
知らないが、唯一
ひっかかっていた
疑問が解けた。
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