モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「殺してやりたい
ところだけど、キミは
ノークスの友人だからね。」

自身に逆らった相手に
確実なとどめを
刺さないなど。

昔の自分からは
想像もつかないような
甘い考えに内心で
苦笑した。

凍夜は片手で、
握った東雲の上下を
器用に持ち変える。

「もし、生き伸びたと
しても…二度とその顔を、
僕に見せないで。」

そう言って、凍夜は
シャディンの首筋で
刃の切っ先を滑らせた。
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