モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「凍夜っ!?」

慌ててベットから
飛び降りる。

姫乃の膝に
当たったのは、
凍夜の腕だった。

「と、凍夜…?
どうしたの?
ね、大丈夫?」

ベットに片腕を乗せ、
そのすぐ横に崩れ落ち
全く動かない姿に
姫乃は狼狽する。

話しかけても、
揺さぶっても、
何の反応もない。

「や…やだ…凍夜…
どうしたの?
しっかりして…。」

酷く、顔色が悪い。

確か最後に見たのは
今朝、早くに出かける
凍夜とすれ違った時だ。

その時も、顔色は
良くないと思ったが、
今はその比じゃない。


呼吸が、弱い。


ほとんど息を
していないんじゃ
ないかと思うほどに。
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