モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「あとは、歳をとらない。でも、炎に
焼かれたり脳や心臓を破壊されれば死ぬ。」

「不老不死じゃなくて、不老長寿ってこと?」

「そう。」

ノークスが勢いよく席を立った。

「勝手にすればいい!!」

そう吐き捨てて、ノークスは食堂から
出て行ってしまう。

「あの、わたしが言うのもなんだけど、
いいの?」

そんな彼の去って行った扉を見ながら、
姫乃は少し申し訳なくなってしまう。

「何が。」

「だって、ノークスの様子だと、
ばらしちゃダメなことだったんじゃ…。」

「…殺せることと、殺そうとすることは、
違うと思う。そういったのはキミでしょ。」

「えっ?ええ…。」

「殺す方法をキミが知っても、僕たちに
害があるとは思わない。
だから、なんの問題もないよ。」
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