モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
釈明―凍夜
凍夜がその指先に
小さな傷をつくり
一滴の血をこぼすと、
床に広がった
赤い液体はそれを
飲み込むように
取り込んだ。
ゆるゆると
融けた蝋のように
固まっていき、
固体となって
人の姿に変わる。
寸分違わず、
もとの少年の姿に
戻った東雲は、
血と一緒に取り込んだ
凍夜の意思に従って、
無言で包帯を
持ってきた。
渡された包帯を、
姫乃の手のひらに
あてがい、巻き
つけようとするが、
なぜかすぐに
とれてしまう。
何度やってみても、
うまくいかなくて、
凍夜はしだいに
苛立ち始めた。
東雲が、じっと
凍夜の手先を
見ながら自分の
出番を待っているのに
気が散って、
剣の姿にもどす。
小さな傷をつくり
一滴の血をこぼすと、
床に広がった
赤い液体はそれを
飲み込むように
取り込んだ。
ゆるゆると
融けた蝋のように
固まっていき、
固体となって
人の姿に変わる。
寸分違わず、
もとの少年の姿に
戻った東雲は、
血と一緒に取り込んだ
凍夜の意思に従って、
無言で包帯を
持ってきた。
渡された包帯を、
姫乃の手のひらに
あてがい、巻き
つけようとするが、
なぜかすぐに
とれてしまう。
何度やってみても、
うまくいかなくて、
凍夜はしだいに
苛立ち始めた。
東雲が、じっと
凍夜の手先を
見ながら自分の
出番を待っているのに
気が散って、
剣の姿にもどす。