モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
―師母さま、ダメです、
その方をどうする
気ですか!?―

―大丈夫よ、不法侵入の
厳罰に処したりは
しないわ。
私の研究に少し
御助力頂いたら、
すぐに外に
返しますからね―

―師母さま、
だからってこんな―

―不法侵入者の末路は
八つ裂き刑ですよ、
オラティオ。
それを、私の温情で、
研究への協力と
引き換えに救って
あげようというのです―

―師母さま―

―いくら落ちこぼれの
あなたにも、
そのぐらいわきまえる
分別はあるでしょう?―



最後の最後まで、
彼女はノークスを
護ろうとしていたのに。

裏切られたと思いこみ、
憤りで彼女を
憎むための都合のいい
記憶にすり替えた。


呪いの言葉を吐き、
彼女への復讐を誓った。
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