モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
凍夜のいうとおり、
ノークスはもはや
彼女をオラティオの
身代わりとして
見てはいない。

あの朗らかで
物怖じしない誠実な
少女に、いつの間にか
身内として好意を
抱いている。


自分は、一体どれほど
大事と思った人を
傷つけ続けるのか。


オラティオ、姫乃、
凍夜、そして母親。


ノークスが好意を
寄せた相手は…
全員不幸になっていく。



…きっと、自分を
慕ってくれる、
あの、温かい少女で
さえも…



罪悪感の渦は、
容赦なくノークスを
飲み込み、その心を
責め立てた。
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