モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「…キミ、ずいぶん
能動的になったね。」

凍夜の血をもとに
作られた、自動人形。

余計なことは考えず、
主人(マスター)である
凍夜の世話と命令が
すべての存在。

それが吸血鬼の従僕。

しかし、最近の
東雲は凍夜の世話や
命令以外を自ら
進んで行う。

以前はそんな
性質はなかった。

すくなくとも、
姫乃と会うまでは。

「キミは、姫乃が
好きかい?」

何とはなしに聞いてみる。

以前の東雲なら、
マスターが好きなら
好きだ、ぐらいには
答えるだろうが。
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