モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「んっ!!」

露わになった
肌をなぞると、
姫乃の鼻から
声が漏れた。

全く艶っぽくない
その音は、とても
嬌声とは呼び難い。

おそらく口がきければ、
悪態の限りを
尽くしているだろう。


…まだ、早い。


ノークスの筋書き
通りに事を運ぶには、
もう少し、心を
乱しておかなければ。

次に、抵抗が
弱くなったあたりが
頃合いか。



そう思った矢先だった。
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