モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「死にたければ
勝手に死ねばいい。
キミの自殺なんかに
僕は絶対手を貸さない。」

「殺せ。」

「僕は誰の言うなりにも
ならない。死にたければ
勝手に死んで。」

「っっ…!凍夜っ!!」

ノークスの声など
聞こえないかのように、
凍夜は部屋を出て行った。

「く…っ…。」

「マスター…。」

助け起こそうとした、
天明の手を払う。

「…凍夜を呼びに
行ったのはおまえか。」

「はい。」

「誰が、そうしろと
命じた。」

「…独断です。」

「余計なことを…!」

もう少し。

あと、もう少しで
すべてうまく
いくはずだったのに。
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