モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
血を無駄に
させたくなくて、
口を開こうとすると、
急に頭が浮いて、
後頭部に柔らかく
温かいものが敷かれた。
「これで少しは
楽にならないかしら…。」
自分の膝に凍夜の
頭を乗せた姫乃が
そうつぶやいた。
ちゃんと凍夜の
意図を理解できて
いたらしい。
そっと額に添えられた
手のひらが、優しく
凍夜の頭を撫でた。
姫乃の甘酸っぱい
香りが鼻をくすぐる。
そのぬくもりと
香りの心地よさに
目を閉じれば、
次第に吐き気が
緩和されていく。
「…キミは…
大丈夫なの。」
いくぶんか楽になれば、
姫乃を案ずる言葉が
真っ先に口を
衝いて出た。
させたくなくて、
口を開こうとすると、
急に頭が浮いて、
後頭部に柔らかく
温かいものが敷かれた。
「これで少しは
楽にならないかしら…。」
自分の膝に凍夜の
頭を乗せた姫乃が
そうつぶやいた。
ちゃんと凍夜の
意図を理解できて
いたらしい。
そっと額に添えられた
手のひらが、優しく
凍夜の頭を撫でた。
姫乃の甘酸っぱい
香りが鼻をくすぐる。
そのぬくもりと
香りの心地よさに
目を閉じれば、
次第に吐き気が
緩和されていく。
「…キミは…
大丈夫なの。」
いくぶんか楽になれば、
姫乃を案ずる言葉が
真っ先に口を
衝いて出た。