モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
逃走―姫乃
部屋から出た姫乃は、
可能な限り足音を立てずに
階段をおりて、大広間を抜けて
玄関ホールにたどり着いた。
凍夜には、逃亡を疑われるから、と、
玄関ホールにだけは近づかないよう
言われていたが、せっかくの忠告も
あっという間に意味のないモノに
変わってしまう。
慎重に足音を立てずに動きながら、
姫乃はふと違和感を感じた。
昼間でも、いつもならノークスの
従僕は城内をうろついている。
なのに、今日に限ってそれが
まったくいない。
可能な限り足音を立てずに
階段をおりて、大広間を抜けて
玄関ホールにたどり着いた。
凍夜には、逃亡を疑われるから、と、
玄関ホールにだけは近づかないよう
言われていたが、せっかくの忠告も
あっという間に意味のないモノに
変わってしまう。
慎重に足音を立てずに動きながら、
姫乃はふと違和感を感じた。
昼間でも、いつもならノークスの
従僕は城内をうろついている。
なのに、今日に限ってそれが
まったくいない。