モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
異変が起きたのは、
上等な教育を
受けた二人が
上流階級の
人間として
成人してから
しばらくたっての
ことだった。

「僕とノークスの
変化は、ほとんど
同時だった。」

最初に自身の
異変に気付いたのは、
凍夜だった。

前の日までは
何ひとつ気に
ならなかったことが、
その翌日に酷く
気に障ったのが
始まりで。


音、光、臭い。


それらに凍夜の
身体は過剰な
反応を示した。

一番奇妙だったのは、
血のにおいに
対する異常なほどの渇望。
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