モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「僕の血が入ったから、
しばらくは僕の
部屋に入れても
かまわないよ。」

そそくさとベットに
戻る凍夜に、
天明を抱いた
姫乃も続く。

ベットの上に
下ろすと、足元で
丸くなった天明は
居心地よさげに
目を閉じた。

「…。」

安堵しているような
その様子に、姫乃も
安堵のため息を
こぼした。


「…ねぇ、凍夜…。」

あっという間に、
眠りについたの
だろうか。

返事がない凍夜の
顔は背を向けられた
姫乃の方からは
見えない。

それとも、姫乃が
何を言うかわかって、
寝たふりをしているのか。
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