モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「その通りです。
花嫁を失った吸血鬼の
末路は強制的な
餓死です。
花嫁を迎えた時点で、
双子の片割れとの
繋がりもなくなって
いますから、唯一の
生命線となる花嫁は
たいへん大切にされます。」
「…。」
…これが、理由だったの
かもしれない。
姫乃が、凍夜の
花嫁になれば。
たとえノークスが
死んでも、凍夜は
生きていける。
言いかえれば、姫乃が
花嫁になりさえすれば、
ノークスは何の枷もなく
凍夜への贖罪として
死を選べる。
そうだ。
おそらくはこれこそが、
ノークスが暴挙に至った
最たる理由だろう。
「…お嬢様?」
「え?あ、ええ。
そうなの。
それじゃあ、
吸血鬼は浮気なんて
そうそうできないわね。」
「はい。」
…姫乃が、凍夜の命を握る。
その事実を、心の中で
反芻する。
花嫁を失った吸血鬼の
末路は強制的な
餓死です。
花嫁を迎えた時点で、
双子の片割れとの
繋がりもなくなって
いますから、唯一の
生命線となる花嫁は
たいへん大切にされます。」
「…。」
…これが、理由だったの
かもしれない。
姫乃が、凍夜の
花嫁になれば。
たとえノークスが
死んでも、凍夜は
生きていける。
言いかえれば、姫乃が
花嫁になりさえすれば、
ノークスは何の枷もなく
凍夜への贖罪として
死を選べる。
そうだ。
おそらくはこれこそが、
ノークスが暴挙に至った
最たる理由だろう。
「…お嬢様?」
「え?あ、ええ。
そうなの。
それじゃあ、
吸血鬼は浮気なんて
そうそうできないわね。」
「はい。」
…姫乃が、凍夜の命を握る。
その事実を、心の中で
反芻する。