モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「…っ凍夜がいなければ
何もできないのは、
おまえも同じだろう!!」

「…。」

「非力な小娘が、
たかだか従僕を
引き連れたくらいで
僕から身を守れると
思っているのか?
凍夜の血が
入っていたとしても、
所詮は従僕、
吸血鬼に勝てはしない!」

「別に、二人の力を
借りるつもり
なんてないわよ?
凍夜の命令のせいで、
二人がわたしから
目を離せないって
言うからついて
こさせただけだもの。」

姫乃が釘をさすように
一瞥をくれると、
そわそわと回廊の
壁の影から顔を
のぞかせていた
東雲と天明が、
さっと隠れた。

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