モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「そもそも、
あなたを倒すくらい、
わたし一人で
十分どうにでも
できるしね?」
「な…。」
ふわりと、
姫乃の栗色の髪が
なびいた。
嫌な予感がして、
反射的に目の前に
迫った影を掴もうと
手を伸ばす。
しかし、何かを
握り締めた姫乃は、
ノークスの手を
するりとかわして、
その目の前に迫った。
甘酸っぱい香りと、
微かに混じる
薔薇の香りが
鼻をくすぐるほどの
距離まで詰め寄られ、
そうして、慌てて
間合いを取ろうとした
ノークスの視界が
一瞬で反転する。
受け身もとれず
背中から倒れた
ノークスに馬乗りに
なった姫乃が、
何か硬質で冷たいものを
ノークスのこめかみに
突きつけた。
それが何なのか目で
確認して、ぎくりと
身を強張らせる。
あなたを倒すくらい、
わたし一人で
十分どうにでも
できるしね?」
「な…。」
ふわりと、
姫乃の栗色の髪が
なびいた。
嫌な予感がして、
反射的に目の前に
迫った影を掴もうと
手を伸ばす。
しかし、何かを
握り締めた姫乃は、
ノークスの手を
するりとかわして、
その目の前に迫った。
甘酸っぱい香りと、
微かに混じる
薔薇の香りが
鼻をくすぐるほどの
距離まで詰め寄られ、
そうして、慌てて
間合いを取ろうとした
ノークスの視界が
一瞬で反転する。
受け身もとれず
背中から倒れた
ノークスに馬乗りに
なった姫乃が、
何か硬質で冷たいものを
ノークスのこめかみに
突きつけた。
それが何なのか目で
確認して、ぎくりと
身を強張らせる。