モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「少なくとも、
わたしの父は、
わたしが原因で
死ぬとわかって
いても、そんなこと
望まなかった。
父が望んだのは、
わたしたちの
幸せだけよ。
…凍夜に聞いた限り、
あなたのお母様も、
わたしの父と
望むことは
大差ないんじゃ
ないかしら。」

「…。」



…優しい、母だった。


凍夜と自分を、
何より慈しんで
くれた女性。

ノークスが凍夜を
慕うことを、
喜んでいた。

自慢の息子たちの
兄弟仲がいいことが、
とてもうれしいと
笑っていた。

「…こんな終わりでは、
きっと…。」

きっと、嘆かせてしまう。

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