モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「…。そういえば、
凍夜、あなたを
探しに行ったのよ。
すれ違っちゃったのね。」

「…何のために、ですか?」

「え?仲直りの
ためでしょう?」

「…仲直り…?」

思わず、眉間に
しわがよった。

あの凍夜が、
昨日の今日で
ノークスの行動を
許すだろうか。

「お嬢様が、
凍夜様を説得
なさいました。
マスター。」

ノークスの心中を
察して、天明が
耳打ちをする。

「お嬢様はマスターを
大変心配して
いらっしゃったので、
凍夜様が折れたのです。」

「…。」

姫乃が絡むと、
そこまで甘くなるか。
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