モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「お姉さまと
仲直りできて、
よかったね。」

不毛で一方的な
勝負に終止符を
打ったのは、
沙羅だった。

「…どうして
そう思うの。」

「凍夜お義兄さまの
お顔、すごく
うれしそうだから。」

「…。」

そう簡単に心を
読まれるほど、
表情豊かではないと
自覚があるのだが。

この娘は、
どうにもよく
わからない。

しかしその得体の
知れなさが、
逆に僅かながら
興味を引いた。

椅子を引いて、
腰かける。
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