モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「…でも、わたし、
朔夜様を傷つける
ようなこと
しちゃったの。」

目に一杯の
涙をためて、
沙羅は言う。

姫乃を襲い、
凍夜を使って
自殺を目論み、
見事に失敗に
終わった後。

性懲りもなく
次の手を打とうと
ここに来た
ノークスは、沙羅に
危害を加えようと
試みたらしい。

ところが、そこで
年端もいかぬ
この娘と口論となり、
心中の鬱積を
思わず激白し、
あげく図星を指されて、
窘められて負け犬の
遠吠えを残して、
すごすご引き下がって
いった。



かいつまむと、
たぶんそういう
ことだろう。
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