モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「…。やっぱり、
食べたくないほど、
怒ってる…?」

上目づかいで
しょげられれば、
いくら怪しいと
思っていても、
ノークスの選べる
選択肢は一つしかない。

「いいえ。とても
うれしいですよ。
さっそく頂きましょう。」

取り分けられた
ミートパイに
ナイフを入れる。

やはり、普通の
ミートパイにしか
見えない。

意を決して、
ノークスはパイを
ひとくち、口に運んだ。


「…。…!!!?」



瞬間、もはや食材に
対する冒涜としか
思えないような、
おそろしい味が
口の中に広がって、
ノークスはその場に
崩れ落ちた。
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