モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「…朔夜様…?」
「…怒っていないん
ですね…?」
沙羅の額を朔夜の
胸に押し付けるような
格好だから、朔夜の
顔は見えない。
「…ごめんなさ…。」
「キミが謝るのは
おかしいでしょう。
キミには何ひとつ
非はない。なのに、
僕にいったい
何を許せというのです。」
「でも…。」
「ちなみに、料理の件は
今のでおあいこですからね。
…全く、謝るべきは
僕の方だというのに、
これでは僕の立つ瀬がない。」
そう言って、ようやく
朔夜は沙羅を抱きしめる
腕を緩めた。
顔をあげた沙羅を、
朔夜は覗き込む。
「酷いことを言って、
すみませんでした。
許してください。」
真剣なまなざしで言う
朔夜の顔が、歪んで
みえなくなる。
「…なかなおり、
してくれますか…?」
ぼろぼろとこぼれる
涙を指先ですくいながら、
そう尋ねた朔夜に、
沙羅は小さな声で
はい、と答えた。
「…怒っていないん
ですね…?」
沙羅の額を朔夜の
胸に押し付けるような
格好だから、朔夜の
顔は見えない。
「…ごめんなさ…。」
「キミが謝るのは
おかしいでしょう。
キミには何ひとつ
非はない。なのに、
僕にいったい
何を許せというのです。」
「でも…。」
「ちなみに、料理の件は
今のでおあいこですからね。
…全く、謝るべきは
僕の方だというのに、
これでは僕の立つ瀬がない。」
そう言って、ようやく
朔夜は沙羅を抱きしめる
腕を緩めた。
顔をあげた沙羅を、
朔夜は覗き込む。
「酷いことを言って、
すみませんでした。
許してください。」
真剣なまなざしで言う
朔夜の顔が、歪んで
みえなくなる。
「…なかなおり、
してくれますか…?」
ぼろぼろとこぼれる
涙を指先ですくいながら、
そう尋ねた朔夜に、
沙羅は小さな声で
はい、と答えた。