モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「姫乃の妹から、言付けを
聞かなかったの。」

「それは、聞きましたが…。」

「僕に殴られるより
ずっと効果がありそう
だからね。」

「…。そうですね。
…というか、
食べたんですか、アレ。」

「食べてない。」

「…じゃあ、なぜ、
あの料理の凶暴性を
知っているんです。」

「姫乃が、今朝
言ってたからね。
妹の料理は凶器だって。」

妹大好きな姫乃が、
妹の手料理に
そこまで言うのだから、
その料理がそれほどの
威力を誇るかは
容易に想像がつく。

「それで。姫乃には
いったいどんな目に
あわされたんだい。」

どうしたって、
凍夜の関心は
姫乃だけだ。
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