モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「…、…。」

太ももを撫でていた手が
離れ、その手の主が、
何か言っているがうまく
聞き取れない。

その声に答えているらしい声が
聞こえると同時に、胸への
愛撫も止まる。

与えられる快感が途切れ、
姫乃が不審に思って彼らを見ると、
凍夜とノークスは何か
言い合っているようだ。

二人の話は聞こえているが、
どうしても内容が頭に入ってこない。

…早く、もっと触れてほしいのに…。

そう思って二人を見る姫乃を
よそに彼らはまだ話をしている。

身体を起こすと2人の
手が頭のすぐそばにあったので、
ねだるようにその手に触れれば、
凍夜は不機嫌そうな視線を
こちらに向け、ノークスは
楽しげな笑みを浮かべて姫乃に
顔を近づけた。
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