モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~

「…。」
「…。」
「…。」

その光景を見ていた
3人の間につかのま、
沈黙が流れた。

「…。」

無言のまま、東雲が
もう一度剣を
振り下ろせば、
やはりぐにょりと
変形し、刃を押し戻す。

「…方法、変えましょうか…。」

姫乃の言葉に、
二人はうなづいた。

「…暖炉を、壊しましょう。」

「そのほうが堅実そうです。
…鎖は邪魔になるでしょうが…。」

東雲が提案して、
天明が同意する。

「え…?ちょっと…。」

天明から斧を受け取った
東雲が、暖炉の前に
立ち斧を振りかぶる。
< 616 / 726 >

この作品をシェア

pagetop