モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
侵入者から身を
守るために?

しかし、ここに
来る途中、何者かが
侵入した形跡は
なかった。

よくよく考えれば、
ノークスたちの
結界は普通の人間に
やすやすと壊せる
ものではないし、
深手を負った
シャディンにも
壊すことは
できないだろう。

まさか、ノークスの
仕打ちに耐えかねて…。

いや、そんなはずはない。

あの流れで、
そんなことに
なるはずは、ない。

姫乃の腕を抱え、
黙りこむ凍夜を
視界に捉えながら、
ノークスはふと、
違和感を感じた。

凍夜に、ではない。

一緒に視界に入った、
窓の外の光景に。
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